相続財産の名義変更

 ここでは、不動産や預貯金など、相続財産の名義変更に関わる手続きに関してご説明いたします。
 実際の手続きの際にも、是非ご活用ください。

相続手続に必要なもの

 相続手続には、添付書類として下記の書類や印鑑が必要となります。
 提出先によって変わる部分もありますが、ここでは代表的なものを掲載いたします。

手続き

被相続人(故人)の

受取人・相続人の

除住民票

除籍

改製原戸籍・
原戸籍

診断書

手帳・
証書

印鑑

印鑑証明

住民票

戸籍

葬祭費          

     
埋葬費          

     
遺族年金

 

 

寡婦年金

 

 

死亡一時金

 

 

遺族厚生年金

 

 

遺族共済年金

 

     
保険金(生保)

 

     
保険金(簡保)  

     

     
不動産名義変更

   

預貯金名義変更・解約

 

株式名義変更

 

自動車名義変更

 

 

光熱費名義変更          

   

電話名義変更  

   

   

借金名義変更

   

会社役員の退任

     

     
会 員          

     
クレジットカード          

     

 被相続人(故人)の戸籍は、出生した時から死亡までのすべてのものが必要となります。
 また、登記上の本籍・住所と死亡時の住所が異なる場合には、戸籍の附票などが必要となります。

法定相続情報の発行申請

 2017年5月から、全国の法務局において、被相続人と相続人の家族関係が記載された一枚の紙に、登記官が認証文を付した「法定相続情報」を発行してもらうことが出来るようになりました。この法定相続情報があれば、各種の相続手続の窓口に戸籍謄本一式を提出しなくてもすみますので、手続を迅速に進めることができます。

 法定相続情報の発行申請は、被相続人の本籍地や最後の住所地、または申請人の住所地などの法務局に対して、必要事項を記載した申出書に戸籍謄本一式や法定相続情報一覧図を添付して行います。なお、発行手数料は無料です。発行申請は司法書士などの資格者代理人に依頼することもできますので、ぜひご相談ください。

法定相続情報の発行申請について、詳しくはこちら

不動産の名義変更(相続登記)

○相続登記の重要性について

 相続が発生した場合、被相続人(亡くなった方)の名義で登記されている土地や建物などの不動産を、相続人名義に変える手続き(相続登記)が必要となります。

 「登記」とは、ある土地や建物について、所有者が誰か、あるいはその不動産に住宅ローンなどの抵当権が設定されているかについての記録で、法務局で登記事項証明書を所得したり、インターネット登記情報を調べることで、手数料を払えば誰でもその内容を確認することができます。

 不動産をいつまでも故人(被相続人)名義のまま放置していますと、その不動産の所有者が誰であるのかが公示されないため、さまざまな問題が起こることがあります。

相続登記の重要性について、詳しくはこちら

○相続登記の申請方法

 相続登記に必要な書類は、遺言の有無や、どのように遺産分割の協議が行われたかによって異なってきます。

 また、登記申請書の内容も、相続人や遺産分割の状況によって異なります。司法書士に依頼する方が、正確かつ速やかに実行できることでしょう。

 登記申請書と収集した書類をまとめ、相続する不動産を管轄する法務局に登記申請をします。
提出した書類に不備がなければ1週間~2週間程度で登記が完了し、不動産の名義が変更されたことになります。
なお、登記が完了した後に、登記識別情報(従来の登記済み権利証に代わるもの)や返却された戸籍謄本などを受け取り、登記事項証明書で変更された登記の内容を確認します。

 登記を申請する際には、登録免許税の納付が必要になります。登録免許税は「相続」を原因とする所有権移転登記の場合、固定資産税評価証明書に記載されている不動産の価額に1000分の4(0.4%)を乗じた価格、「遺贈」を原因とする所有権移転登記の場合、1000分の20(2.0%)を乗じた価格となります。

相続登記の申請方法ついて、詳しくはこちら

○未登記建物・農地・森林の相続届

 不動産の登記記録には、「表題部」「甲区」「乙区」という欄があります。「表題部」には、土地であれば「所在」「地番」「地目」「地積」などが、建物であれば「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」などが記録されます。「表題部」の登記は法律上は義務となっており、違反すると過料が課されることになっています(もっとも、実際に過料が課された例はあまり聞かないですが)。しかしながら、現実には被相続人の遺産の中に、登記されていない建物(未登記建物)が含まれている場合があります。このような場合は、土地家屋調査士に依頼して表題部の登記申請をしてもらうか、とりあえずは市町村役場の税務課に「建物所有者変更届」を出すことによって、次年度以降の固定資産税の支払い義務者を届けておくことになります。

 また、農地や森林を相続した場合は、相続登記の完了後に、農業委員会や市町村に相続届を提出する必要があります。

未登記建物・農地・森林の相続届について、詳しくはこちら

預貯金口座の解約・払い戻し

○預貯金口座の解約

 預貯金は、口座の名義人が亡くなると、その相続人から金融機関に対して死亡の連絡をしなくても、口座が「凍結」されてお金をおろすことができなくなります。これは、金融機関が新聞の「お悔やみ欄」などで、亡くなった人の名前をチェックしているためです。また、お悔やみ欄に掲載しない場合には、しばらくはキャッシュカードを用いてATMでお金をおろすことが事実上はできるかもしれませんが、定期預金などを解約する際には、口座の名義人自身が窓口に行かなければならないため、結局は、相続人から金融機関に対して本人が死亡した旨を届け出て、所定の手続を行う必要があります。

 「凍結」された預貯金を解約してお金をおろすためには、それぞれの金融機関ごとに所定の用紙(または遺産分割協議書)に相続人全員の署名と実印での押印をして、印鑑証明書と、その口座の名義人の出生から死亡までの戸籍謄本などを揃えて、窓口に提出する必要があります。

預貯金口座の解約について、詳しくはこちら

○預貯金の一部払い戻し制度

 民法改正により、相続財産の遺産分割前であっても、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払い等のために資金が必要となった場合に対応できるよう、一定の限度額までは、各相続人が個別に金融機関の窓口で相続預貯金の払い戻しを受けることができるようになりました。

預貯金の一部払い戻し制度について、詳しくはこちら

生命保険金の請求

○死亡保険金の請求

 生命保険の死亡保険金は、保険契約の被保険者(その人が亡くなったら保険金が支払われる対象者)が死亡した際に、受取人として指定された人に対して、生命保険会社から直接支払われます。そのため、死亡保険金は被保険者(被相続人)の遺産ではなく、受取人の固有財産として扱われます。

 ただし、受取人が単に「相続人」と指定されている場合、受取人が被保険者本人となっている場合、受取人として指定されている人が被保険者よりも先に死亡している場合、そもそも受取人が指定されていない場合については、扱いが異なる場合があります。

 なお、死亡保険金は民法上は遺産としては扱われませんが、相続税法上は「みなし相続財産」として、相続税の計算に含まれます(一定額は計算から控除されます)。

死亡保険金の請求について、詳しくはこちら

株式の名義変更

○上場株式の名義変更

 上場している株式は、証券取引所を通じて取引されていますので、証券会社が介入しています。したがって、証券会社を通じて、その株式を発行している会社の手続もすることになります。

 証券会社は顧客ごとに取引口座というものを開設していますので、取引口座の名義変更手続きを行うことになります。

上場株式の名義変更について、詳しくはこちら

○非上場株式の名義変更

 被相続人が保有していた非上場株式を相続する場合は、株式を発行する会社に申し出て手続きをします。
 非上場会社の株式の名義変更は、それぞれ会社によって行う手続きが異なりますので、株式を発行した会社に直接問い合わせるのが確実です。

非上場株式の名義変更について、詳しくはこちら

遺族年金の受給

○遺族基礎年金

 遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

 遺族基礎年金は、国民年金加入中の方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた「18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)のいる配偶者」または「子」が受けることができます。

遺族基礎年金について、詳しくはこちら

○遺族厚生年金

 遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者中または被保険者であった方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた遺族が受けることができます。

遺族厚生年金について、詳しくはこちら

 

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